ハイヒールおじさん ルイ14世
パリコレで有名なフランスは、案外おしゃれじゃない。東京のほうが、よっぽどおしゃれで個性的な人も多く、刺激的な街である。
しかし、パリにもおしゃれで所謂「下北沢」っぽいところがある。マレ地区というところだ。
画像はFree'p Starという古着屋さん。1ユーロで服が買えることもある。
マレ地区は、パリの中心に位置する。4区と呼ばれていて、近くにはHôtel de Villeだとか美術館がある上品な地域。観光地もそれほど遠くない。
近くにシテ島とよばれる、セーヌ川を二つに分けるように存在する孤島が(というと大げさだが)ある。ノートルダム大聖堂もそこにあるし、人も住んでいる。もともと、セーヌ川では魚が取れたのですごくリッチな地域だった。ここに初めに住んだのが,Gaulois(e)(ゴロワ,ゴロワーズ)、日本語だとガリア人だ。
だが、別に貴族が住むような場所ではなかった。全然おしゃれな地域ではなかったのである。
ルイ14世の王家ブルボン朝を始めたアンリ4世が、この地域に広場を作って、貴族が続々豪邸を立て始めたことで、どんどんと町が繁栄していった。
フランスの地面は石畳ですごくきれいだが、道の真ん中が少しくぼんでいる。これは水はけをよくするため。昔はトイレの汚物を道路に捨てていた。男性のマントも汚物がはねて洋服につくのを防ぐため、そしてハイヒールも、汚物を踏む面積を最小限にするためだった。
ハイヒールは本来女性のものであったが、のちに男性の正装としてもブームになる。
当時のファッションリーダーといえば、もちろん国王だった。
ファッションは男性のもの、という考え方が当時にはあったらしい。この時代はかつらをかぶり、ハイヒールを履き、ふくらはぎの筋肉を見せるのがはやりであった。
この絵は、ルーブル美術館で見ることができる。直接みると、ルイ14世がいかに宝石や派手な装飾品をごたごたと身に着けているかわかる。悪趣味とまで言える、富の豊かさの表現。おしゃれはいつの日か、派手で動きにくく、性的魅力を表すものになった。
当時のヨーロッパ諸国に大きな影響を与え、ヨーロッパ各地に「小さなヴェルサイユ宮殿」がたちまくるほど、ヴェルサイユ宮殿はモデルとなった。